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演劇ユニット 昼ノ月

3人でお芝居します。
2024
04,26

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2008
04,26
,kiiroihana 記者会見。緊張する会議室。アトリエ劇研演劇祭参加団体の代表たちが顔をそろえて、テーブルの前にちん、と座っている。向こう側には各新聞社、雑誌社の担当者の方々。あと3分で開始……誰も喋らない。静か。ことり。誰かがペンを床に落とした。「すいません……」小声で彼は言った。けれどその声は皆に届いた。意味もなくうなづくアーチストたち。沈黙はかえって深くなる。……とそのとき。

隣りのダンサー、坂本公成さんの携帯電話がなる。シーン、とした会場に、小声の坂本さんの声が響く。誰もきかないふりしているけれど誰も喋ってないのでいやおうなく耳にはいってしまう。「もしもし、あの、いや、うん。ちょっと今ね、あの。話せないから、あとで、いい、いやあのだから、ちょっと、き、あ、だからき、いいかなあとでかけるね、え?え?うん。だからそれも含めて、え?ごめん。はい。はい。え、はい。あ え お」――きれた。

ちょっとすごい注目されてたよいまの電話。いっそどういうことなのかその場の皆さんに説明したほうが潔くないか?

鈴江は坂本くんにアドバイスしたのだけれど彼はただただ冷や汗ぬぐいながら笑っておりました。

 

ああ。記者会見って緊張する。

そんな場所で聞かれたら答えようと思って用意してきた役者の紹介です。こだしにします。

 

・二口大学:彼は人生・哲学を感じさせるストイックな役者です。彼がのびのび稽古すると、演技術は内へ内へと向かいます。どうして役者なのか。どうして演劇なのか。どうして自分はここにいるのか。どうして生まれてきたのか。どうして目の玉はふたつ?どうして菜の花はなのはなっていうなまえ?禅問答の解答を探すみたいな彼の生活がにじみ出て人々を魅了するのかもしれません。関西現代演劇俳優賞ってすごい賞なんです。演出としては彼の禅問答には無関心なふりをして、楽しいことしてよ、笑えることしてよ、わかりやすくしてよ、あっはっはあっはっは、とお願いしてバランスをとってます。

 

……写真は黄色い花。むこうは白い花のじゅうたん。春です。しずかです。

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2008
04,18
池の花、草早速チケットに申し込みをいただいて。私たちは気がひきしまる思いでございます。
昨年の京都公演では私たちの予想を超えたお客さんにつめかけていただきました。うれしい悲鳴だったのですが、急傾斜のちょっと変わった客席で とびきりすてきな観劇の環境を、と望む私たちはさらに最善の努力をしようと心に決めています。
ゆったりふかふか貴賓席のようなラグジュアリーな環境、というのではありません。
ちっちゃい小屋で座ったとたんにドキドキする、そんな状況。集中が高まる非日常の環境。
お客さんを詰め込みすぎてはいけないのです。はい。

高校生活を近郊住宅地ですごし、マスメディアの情報にばかりさらされて育ってきた私は、大学で京都に移って、夢だった一人暮らしをはじめ、飢えに駆られて、渇きをいやすために、あたらしい自分の街をあるきまわりました。自分のこの目で確かめる表現。ブラウン管や活字ではなく 自分がなまに確認できるなにか。実際に触れることができる人の、息遣い。そんな表現。
あのときであったいくつもの、一生忘れないだろうささやかな表現の影響でしょうか。
せっかくの演劇、なんだから、と、どうしてもなまの感触が得られる環境に惹かれてしまいます。
大劇場の外野席みたいな立派な遠さより、ファウルボールがライナーで飛んできたら怪我しそうな 選手のおケツに手が触れそうな最前列の内野席に惹かれてしまいます。
だけどもちろん一長一短。ものごとは良い面と悪い面と両方ひきつれてやってきます。
そうなんだ。だれもが全員例外なく満足する客席、なんてものはないのだ、だから個性あるものをつくることに臆病ではいけない。怯えてはいけない。いけないのだ。

ぶつぶつ考えながら、自転車でうろうろしている京都市内。
二口くんのように歩く、というところまではいかないけれど、私は最近バイクを禁欲して、自転車に乗ってます。約束しよう。何年後かには自転車も禁欲する自分に進化しよう。
とおりすがりの深泥池。
古代からの植物が生息するこの池も、バイクだとよそ見運転が危ないから気づけない花に、自転車だとよそみし放題だから胸いっぱい鑑賞できるのです。

あおい花、白い花。
これ、古代からの花なんです。

2008
02,18

«無題»

81a4a2f0.jpg雪でございます。
とだれかに改まった姿勢で、居住まいで報告したい。
そんな風景が、急にあらわれます。
なにを報告しようか。

昼ノ月は今どんどん新しい企画を検討中です。
こころの中に炎。
胸の中に熱。
それをいや増しに感じさせる空気の冷たさ。そして雪。

2008
02,06
受賞中

関西現代演劇俳優賞の授賞式が4日の月曜日、行われました!
今年の関西のたったひとりの「男優賞」が

二口 大学(昼ノ月)「顔を見ないと忘れる」

 
でした!その場で発表された
受賞理由をば。紹介します。
 

この芝居は二人芝居で、窃盗で捕まった二口演じる男と、その妻がガラス越しに会話する刑務所の面会シーンが主となり進行する。面会シーンのため、動きは座る姿勢が中心となり限られているが、それでも役の感情を劇場全体に行き渡らせた彼の演技の実力は、セリフの力、そのキレの良さ、スピードなど、関西随一だろう。

面会シーンの合間に男が、刑務所の劣悪な環境や、自分の少年時代の貧しい生い立ちなどを語る場面が挟まれる。そこでは、窃盗のうらぶれた感情や、妻との間にいる子供を思う心情などが語られ、心の奥では人の良い男が、窃盗犯にならざるを得なかった原因を、酷薄な社会に見出させる演技は二口ならではの魅力が感じられた。とくに幕切れでの富山弁をもちいた長ゼリフが印象的だった。
            (関西現代演劇俳優賞 議事録より)
というわけです。
すばらしい……
審査員の皆さん、関係者の皆さん、ほんとにていねいに見ていただいてありがとうございます。

今年の6月8月9月の再演はさらに磨きをかけて。とプレッシャーがかかってしまうね。二口君。うけて立とうぜ。

 


2007
11,27

60ec584fjpegワークショップが終わった。

お互いが知らない。ここはどこか?君は誰か。

知ってることはある。

私はここをどこだと思うか。私は誰か。

知らないことはでも、もっとたくさんあるのだ。

君はここをどこだと思うか。君は私を誰だと思うか。君はここを私がどこだと思うかをいつ気づくか。君は自分を誰だと思うのか。

二人の思惑は全くずれている。そこから始まる。

さてここをどこにしようか。私は君を誰にしようか。君は私がそのアイデアを持ったということに気づいてくれるだろうか。いまくいかない。うまく伝わらない。ときには伝わりすぎて君はわざとその設定に乗ろうとしてくれて説明的にちょこっとなったりしてああちょっとわからないくらいのほうがふわふわドキドキしてたかもしれないのにああそのもどかしい気持ちがうまく伝わらない……

ワークショップはドキドキ進む。

ドキドキこそ命。演技の命。いま、ここで生まれる命。

 

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